コラム a HOUSING COLUMN
家族を守る耐震性能とは?!チェックすべき内容も公開!

日本は本来「地震」が多い国としても有名です。また大阪をはじめ関西圏にお住いの方は、大地震の経験もあり、家を建てる時は耐震に優れたお家を建てたいと思う方も少なくはないのではないでしょうか?
マイホームを建てるのであれば、安心して暮らすことができ、大切な家族を守ることができるお家にしたいですよね。
そしてそんなお家の耐震性能を見るときに注目すべきものが「耐震等級」についてです。
「耐震等級」は簡潔に言うと、地震に対する家の強さを数字で表したものです。
耐震等級を見ることで、家の耐震性能が丸わかりということです。
そこで今回は家を建てる際に、どれぐらいの耐震等級を目指せばよいのかという内容について、等級ごとの説明を交えながらお話していきます。
安心して生活をするためにも知っておいて損はないと思いますので、ぜひご覧ください!
目次
1.耐震性能を表す耐震等級とは?
2.耐震等級ではここを確認!
3.耐震等級は何等級がいいの?
4.まとめ
耐震性能を表す耐震等級とは?
耐震等級について知る上で、なぜこのような指標ができたのか、日本の歴史からお話させていただければと思います。
冒頭でも簡単に記載したように、日本は世界で有数の火山国と言われています。火山が多いということもあり地震が非常に多く、昔から大きな地震に何度も見舞われてきています。
その中で、地震を教訓に次また大きな地震が起きたとしても、少しでも被害が減るように家の作り方や制度も変わってきたという歴史があります。
具体的には2000年から「阪神・淡路大震災」の教訓から耐震等級が作られました。
http://kumamoto-fukkou.or.jp/
では耐震等級とはどういうものなのかというと、地震への強さを1~3等級までの3つのレベルに分け、数字が大きいほど地震に強いことを意味します。
簡単に強さの基準を等級ごとに表にまとめたのでご覧ください。
耐震等級1 | 建築基準法と同程度の建物(現在は必ず耐震等級1を満たさなければいけません) |
耐震等級2 | 等級1の1.25倍の建物の強さ(長期優良住宅は等級2を満たす必要があります) |
耐震等級3 | 等級1の1.5倍の建物の強さ(消防署や警察署でつかわれています) |
現在の建築基準法では耐震等級1が必須となっており、それに比べて何倍強いかで耐震等級が決まってきます。
このときの建築基準法でも必須とされている耐震等級1はどの程度の強さなのかというと、以下のことを想定しています。
・数百年に一度発生する地震に対して、倒壊・崩壊しない。(震度6強から震度7程度を想定)
・数十年に一度発生する地震に対して、損傷しない。(震度5強程度を想定)
つまり耐震等級1は、震度6までは耐えられるはずだが、それ以上の強さの場合は家に被害が出るかもしれないというイメージです。
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耐震等級2で病院や学校といった建物と同程度、耐震等級3で消防や警察などと同程度の耐震性になるよう設定されています。
耐震等級ではここを確認!
以前別の会社で建てたお客様とお話をする機会があり、このようなことをおっしゃってました。
「間取りも決まって建築確認を申請中に、設計者の方から壁を増やさないといけないと言われました。。」
これはどういうことかというと、耐震性能を上げるためには耐力壁と呼ばれる地震にも強い壁が必要となるのですが、その耐力壁の数が少なかったということです。
弊社では基本的には起こらないことなのでなぜそのようなことが起きたのかというのをご説明します。
耐震等級は、構造計算をして審査機関から合格をもらうことで等級が決まります。
そのため耐震等級は、家の打合せ終盤もしくは打合せが終わってから最終確定することになり、高い耐震等級を取る場合、構造計算をして耐力壁が足りなかったり、審査期間から指摘されて耐力壁を追加しないといけない事態が起こる可能性があります。
とはいえ、しっかりと構造計算はされているはずなのに、なぜこのようなことが起きてしまったのかというと、
その理由は構造計算書をつくるのにとても時間がかかるというのが原因ではないかと思います。
構造計算をするにはかなりの時間がかかるため、通常は簡易的な構造計算をして間取り上、問題ないかの確認を行いつつ、間取りの打ち合わせを進めていくという流れになります。
その流れの中で、もう間取りの変更はないと確定した段階で最終的に構造計算を行い、申請資料を揃えるのが一般的と言えます。
一方、実際に構造計算をした結果、稀に簡易計算と構造計算で僅かなズレが生じたり、当初は問題なかったが打合せで壁が少なくなってしまうことで、最後に壁や柱を増やす必要が出てくるケースがあるんですね。
今回のようなケースの場合も、おそらく打ち合わせの段階で間取りが多少変わってしまい、耐力壁が少なくなってしまったのではないかということが考えられます。
基本的にはこのような事が起こらないように配慮している設計者がほとんどですが、住宅会社の規模等によっても起きる可能性は0%ではないので、構造計算により壁や柱が増える可能性があると一言説明を受ける事もよくあるようです。
結論、耐力壁の減少によっては耐震等級の審査が通らなくなってしまうことがありますので、打ち合わせの段階から壁の量などは確認するようにしましょう。
耐震等級は何等級がいいの?
最近のご相談いただくお客様から多い質問として「どの耐震等級で家を建てればいいでしょうか?」というものがあります。
耐震等級3にすればかなり地震に強い家に仕上がりますが、その分費用が増えてしまったり、間取りに制約が出てしまうことがあります。そのためどの耐震等級でお家を建てるかは非常に迷いやすい部分と言えます。
この質問に対する答えにもたくさんの考え方がありますが、その1つとして、「地震が多く被害が大きくなりそうな地域であれば耐震等級3にして、そうではない地域に関しては少なくとも耐震等級2にする」という考え方があります。
家は家族を守るためにも存在していますので、家は崩れなくても家に大きなダメージが残ってしまうとその家に住み続けるのは難しくなってしまいます。
そうなれば安心した暮らしもできなくなってしまうため、そうならないためにも耐震等級3はできるだけとっておくとよいでしょう。
2016年の熊本地震のデータを見てみましょう。
下の図は熊本地震で被害の大きかった益城町を中心とした家の被害状況を、耐震基準別で表した物になります。
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この表を見ると、耐震等級3の家は16棟中2棟が軽い被害を受けただけで、残りの家は無傷だったことがわかります。
耐震等級3があれば8割以上の家に被害はなく、被害があっても軽い損壊程度であれば継続して住み続けることが可能ですので、家族を守るという目的を考慮すると耐震等級3の家というのは効果が大きいということがわかると思います。
特に熊本地震は震度7レベルが2回続いた地震だったのですが、繰り返しの地震にも耐えることができたというのは大きな強みになります。
このようなデータなどを見てみると、やはり耐震等級3の安心感というのはかなり大きいと感じていただけるのではないでしょうか。
まとめ
今回は耐震性能についてご紹介させていただきました。
地震の被害を抑えるためにも、耐震等級というのは必ず確認しておきたいポイントです。
また耐震等級は具体的な間取りの打ち合わせを始める前にどの耐震等級を目指していくかを決めることが重要です。
間取りの打ち合わせが進んでから耐震等級を上げるとなると、壁を追加するなど間取りが変わってしまう可能性もありますので、検討されているのであれば減らす分には増やすよりも簡単ですので初めから耐震等級3で考慮すると良いかと思います。
壁が増えるにつれて、開放感が少なくなってしまうということもあるので、その点はご注意ください!
耐震等級についてもっと知りたいという方や、メリット・デメリットをもっと知りたいという方はぜひお問い合わせください!
また残りの2月中は完成見学会も行っています!
今だけの来場特典もありますし、実際にどのような家を建てているのかということも見学できます!
ぜひご参加くださいね!
