コラム a HOUSING COLUMN

気密性と断熱性について

2024.03.01
性能

こんにちは、堺市の工務店 グローハウジングアラカワの田中です。
今回はお家の快適性に大きく関係している「気密性と断熱性」についてのお話です。
お家づくりを考えられているかたの多くは「気密性」や「断熱性」という言葉をきいたことがあると思います。
気密性がいいとは?断熱性がいいとは?について今回はお話しさせていただきます。

気密性とは?

気密性とは「スキマのなさ」のことです。
気密性が良いお家は家のスキマが少ないお家です。
逆に言えば、気密性の悪いお家は家中のスキマが多いお家です。
スキマが多いとどんなことが起こるのか?
みなさん、実家に帰ると暖房を付けてるのになんか寒い…という経験はございませんか?
私はその経験めちゃくちゃあります(笑)
気密性が悪いとせっかくあたためた空気は逃げ、外からの冷たい空気が入ってくるんです。

気密性は「C値」という値で表されます。

写真のように、機械を使って計測します。(これは当社のモデルハウスで実測した際の写真です。)
「C値=お家全体のスキマの面積÷延床面積=お家の1㎡あたりに存在するスキマの面積」です。
この値が小さいほどスキマがなく、気密性が高い(良い)ということです。

では大体どのくらいのスキマがあるの?と気になりますよね。
例えば、30坪のお家でC値5.0㎠/㎡の場合、はがき5枚分ものスキマです。
気密性に配慮していないお家は10.0㎠/㎡と言われており、
高気密住宅なら1.0㎠/㎡以下が目安となっております。

アラカワでは0.5㎠/㎡以下(はがき0.5枚分)を基準にしております。
ちなみにモデルハウスでは0.2㎠/㎡でした。
また、当社では全棟にて第三者機関による気密測定検査を実施し、性能報告書としてお渡ししております。

断熱性とは?

お家の中の温度をキープする、外気の暑さや冷気を室内に入れないよう外から内への熱の移動を遮断することです。

断熱性はUA値という値で表されます。
こちらも値が小さいほど、断熱性が高い(良い)ということです。

アラカワでは断熱等級5以上、全棟ZEH基準を満たしております。

では実際に断熱性を高めるためにはどうすればいいのか。
断熱材の施工は言うまでもなく大事です。
しかし、それ以上にお家の断熱性を左右させるのが「窓」。
お家への熱の出入りは、窓や玄関ドアなどの開口部からが半分以上を占めています(冬は58%、夏は73%と言われています。)ので、窓の断熱対策は特に重要なポイントです。

窓の数だけでなく、どんな窓を使用するかによっても断熱性は変わるので
窓ガラス、サッシの種類ともに簡単にご説明させていただきます。

窓ガラスの種類


・単板ガラス:名前のとおり1枚のガラスでできていて、昔から住宅でよく使われてきたガラスです。価格は安いですが、断熱性が低く結露が起きやすいです。


・複層ガラス:2枚のガラスを使用し、空気の層をつくったガラスです。空気ではなく、熱を通しにくいガス(アルゴンガスなど)を注入したタイプもあり、価格は高くなるが断熱性も高いです。

・Low-Eガラス:ガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングしたガラスのことで、複層ガラスへ主に用いられています。金属膜が室温を逃しにくくするため、高い断熱性が期待できます。

サッシの種類

・アルミサッシ:軽くて腐食に強いアルミサッシ。加工もしやすくコストも安いですが、熱を伝えやすいため断熱性が低く結露が起きやすいです。

・樹脂複合サッシ:アルミと樹脂の2つ素材をあわせてつくられたサッシ。耐久性や強度が高いアルミを外側に、断熱性や気密性に優れた樹脂を内側にすることで、それぞれの素材のいい面を取り入れたサッシです。樹脂サッシに比べ、コストもお手軽です。

・樹脂サッシ:プラスチック樹脂でできたサッシ。熱伝導率が低いため断熱性が高く、結露が生じにくいです。コストも高くなっています。

断熱材の種類って何があるの?

断熱材の種類は大きく分けて2つあります。
「発泡プラスチック系」と「繊維系」です。
発泡プラスチック系は断熱性が高くて軽さもあり吸水性が低い、繊維系は耐火性が高く防音性が高いといった特徴があります。
木造や鉄筋コンクリート造などの構造によっても適した断熱材が異なるため、それぞれにあった断熱材を選ぶのが重要です。

壁断熱の施工方法は、壁と柱の間に断熱材を入れる充填断熱工法、家のまわり全体にボード状の断熱材を貼り付けていく外張り工法、断熱材を壁の隙間に吹き込む吹き込み工法などの方法があります。

屋根断熱は日差しによる夏の室温向上を防ぐことができます。屋根に断熱材を取り付ける方法と天井に断熱材を取り付ける方法があります。

床断熱は地面からの冷気や熱気を防ぎ、快適な室温が逃げるのを防ぐのに重要です。
床下に断熱材を敷き詰める床断熱と家の基礎部分も室内空間として捉え、基礎部分も断熱材で覆う基礎断熱があります。
床断熱は湿気や白アリ被害を防ぐことができますが、床の高さによって断熱材の厚みが左右されるため、断熱性が低くなることがあります。
基礎断熱は床の下の基礎部分も室内としてとらえて断熱材で覆っていますので、床断熱よりも断熱性を高めることができます。

まとめ

気密性、断熱性どちらかが欠けていると快適なお家にはなりません。

高気密×高断熱でまさに「魔法瓶のような快適なお家」づくりをすることで
無駄な冷暖房の使用を抑えられ省エネにもなり、寒さ・暑さによる体調不良、結露によるカビ発生などもなくなり、家族の健康も守られます。

これからお家づくりをされるかたは、気密性・断熱性のことも着目してみてください!